百姓倶楽部の堆肥製造「自然的堆肥製造法」
食品リサイクル法に対応した食品循環資源による堆肥製造
百姓倶楽部では、平成14年より地元スーパーマーケット「カスミ」さまや、
社団法人日本フードサービス協会「JF」さまなどと協力して、食品残渣(いわゆる生ゴミ)
を堆肥化しています。
生ゴミは、食品循環資源として有効活用され、百姓倶楽部の組合員農家により、農地へ還元され、
「減農薬・減化学肥料」をモットーにした「自然的農法」に欠かせない土作りの材料となっています。
堆肥センターには、毎日何トンもの生ゴミが運ばれてきます。 生ゴミは、発酵促進のため、種となる堆肥と混ぜ合わされます。 搬入される生ゴミは、野菜くずや食べ残しなどいろいろなものが入ってきます。
百姓倶楽部では、CO2排出を伴わない堆肥製造を行っています。
一般的に堆肥製造には、加熱処理や曝気処理などの2次エネルギーが使われており、
CO2の排出原因となっていました。百姓倶楽部の「自然的堆肥製造法」では、
自然に生息している「土着菌」を有効活用して、微生物の活動により堆肥を製造しています。
農業はなるべく自然のままがよい、というのが百姓倶楽部の方針です。
そのために良い土は欠かすことが出来ない条件です。土作りは微生物作り、
と同じことです。豊かな農地には、必ずたくさんの微生物が生息しています。
環境の良い里山には、たくさんの微生物が住み着いています。
人が適度に手を入れた里山には、多様な生物環境が作られています。いろいろな木々が
生い茂り、落ち葉が積もり、土は腐葉土により「ふかふか」な状態です。
そこにはたくさんの微生物が「土着菌」として住み着き、土を豊かにし、
植物に栄養が行き届くようになっています。
適度に人の手が入った里山は、太陽の光が差し込み、風が吹き抜け、散歩することも楽しくなります。 里山には、虫もたくさんいますので、それらをエサにするヒヨドリや赤ゲラなどの野鳥や、ネズミなどの小動物もたくさん住みついています。
豊かな自然環境が、循環型社会を形成するには欠かせない条件です。
都会の人々が、健康にそして楽しい食生活を営むためには、近郊の農業地域にこういった
自然環境が存在することがとても重要です。
生ゴミは、微生物の力でゆっくり堆肥化していきます。 搬入後40日程度で、使用可能な状態になります。 出来上がった堆肥は、組合員農家のストックヤードへ運び出されます。
堆肥は微生物たちのおいしいご飯です。
土作りに欠かすことの出来ない微生物たちは、堆肥を食べて元気になります。
堆肥には、微生物たちに必要なミネラルや、いろいろな成分が含まれています。
また、堆肥には微生物もたくさん住み着いており、堆肥1g(グラム)に、億単位の微生物が含まれます。
ストックヤードでは、堆肥を農地に入れるまでゆっくり熟成させます。 通常6ヶ月程度熟成させてから、使用されます。 栽培する農作物によっては、豚糞など別の堆肥とブレンドされて使用されます。
堆肥は生き物です。
微生物のかたまりでもある堆肥は、生きています。そのため、土の上に積むことで、
使われる農地の自然環境になじんでいきます。
その土地の、その土にあった微生物を使うことが一番良いようです。
これはストックヤードの堆肥に発生している土着菌です。(放線菌の一種) 堆肥を使うことは自然とともに生きることです。 安心・安全でおいしい農作物は、自然によって育てられています。